It Is No Use Ingの意味と書き換え|なぜ動名詞なのか徹底解説
高校英語の重要構文として試験やテキストに必ず登場する「it is no use ~ing」。直訳すると「〜することには何の使い道もない」となり、転じて「〜しても無駄だ」「〜しても意味がない」という諦めや無意味さを表す定番表現です。日常会話からビジネス、資格試験まで幅広く頻出する一方で、「なぜ不定詞ではなく動名詞を使うのか」「there is no use ~ingやit is useless to doとは何が違うのか」といった疑問を抱く学習者は少なくありません。
言葉の成り立ちやネイティブスピーカーが持つ感覚を紐解くと、機械的な暗記に頼らずとも自然に使いこなせるようになります。本稿では、構文の正確な意味や語源的背景、実践的な書き換えパターン、そして実際のコミュニケーションで使う際の注意点まで、余すところなく解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:「it is no use ~ing」は「〜しても無駄だ」を意味し、努力しても結果が変わらない状況や無意味な行為を端的に表す重要構文。
- 要点2:動名詞(-ing)をとる理由は、歴史的に前置詞「in」が省略された名残であり、動名詞が持つ「すでに起きている・具体的な動作」の認知イメージと一致するため。
- 要点3:「There is no point in ~ing」「It is useless to do」「It is no good ~ing」などへの書き換えが可能であり、フォーマル度やニュアンスに応じた使い分けが不可欠。
【基本構造】it is no use ~ingの意味と日常で使える厳選例文
英語教育の現場や主要な学習コーパスにおいて、「it is no use ~ing」は「いくら行動を起こしても期待する結果が得られない状態(futility / hopelessness)」を伝える決まり文句として定義されています。単に「無駄」と切り捨てるだけでなく、「これ以上労力を費やしても事態は好転しないため、その行為は推奨されない」というニュアンスを含みます。
日常会話では短縮形の「It's no use ~ing」として発話されるケースが主流です。ネイティブスピーカーが実際に用いる代表的な例文を確認してみましょう。
【実践的な基本例文】
・It is no use crying over spilt milk.
(こぼれたミルクを嘆いても無駄だ=覆水盆に返らず【英語の有名なことわざ】)
・It's no use talking to her right now; she is too upset.
(彼女は取り乱しているから、今何を話しかけても無駄だよ。)
・It's no use trying to fix the old car, it's beyond repair.
(その古い車を修理しようとしても無駄だ。もう直せる状態を超えている。)
・It's no use whining about the past.
(過去のことをめそめそ愚痴っても始まらない。)
英語圏の会話指導データによると、スマートフォンのバッテリーが完全に切れた際に「It's no use trying to turn it on again and again.(何度も電源を入れ直しても無駄だ)」と表現するように、物理的・客観的に結果が覆らない場面で頻繁に活用されています。
なぜ不定詞ではなく動名詞?it is no use ~ingの文法的な歴史と語源
多くの英語学習者が疑問を抱くのが、「なぜ『It is no use to do』ではなく『-ing(動名詞)』をとるのか」という点です。形式主語の「It is + 形容詞 + to do」という基本ルールに慣れていると、名詞である「use」の後ろになぜ動名詞が直接続くのかが不自然に感じられます。この疑問には、明確な歴史的文法変化と認知言語学的な理由が存在します。
第一の理由は、前置詞「in」の脱落です。歴史的な英語の構造を遡ると、この表現はもともと「It is of no use in doing something」または「There is no use in doing something」という形で使われていました。前置詞「in」の後ろには名詞相当語句が来るため、動詞を置く場合は必ず動名詞(-ing)になります。時代の変遷とともに前置詞「in」や「of」が省かれ、「It is no use ~ing」という短縮された慣用句として固定化されました。
第二の理由は、動名詞が持つ「現実性・進行感」のイメージです。認知文法において、to不定詞は「これから向かう未来の行為(前向き・意志)」を表すのに対し、動名詞(-ing)は「現に起きている行為・生き生きとした具体的な動作」を連想させます。「〜しても無駄だ」と語る状況は、すでに無駄な試みが始まっているか、現前にある手遅れな状況を指しています。そのため、未来志向のto不定詞ではなく、現実志向の動名詞が自然と結びついたと説明されます。
なお、文語的な表現として「It is of no use to do」という形も存在します。こちらは「of + 抽象名詞 = 形容詞(useless)」として機能し、形式主語「It」に対応する真主語として「to不定詞」を配置する正統派の文法構造です。しかし、現代の口語英語では堅苦しすぎるため、ほとんどが「It is no use ~ing」に置き換わっています。
【徹底比較】主要な書き換え表現とニュアンスの違い
試験対策や表現の幅を広げる上で欠かせないのが、類語への書き換えです。「〜しても無駄だ」を表す構文は複数存在しますが、文法構造やフォーマル度、相手に与える印象には明確な差異があります。
| 構文パターン | 文法構造・品詞 | フォーマル度・使用領域 | ニュアンス・編集部の解説 |
|---|---|---|---|
| It is no use ~ing | 名詞「use」+ 動名詞 | 日常会話〜標準文体(70%) | 口語での定番。結果が変わらない諦めの気持ちを率直に表す。 |
| There is no point (in) ~ing | There構文 + 名詞「point」+ 動名詞 | 口語〜ビジネス(90%) | 「それを行う意義や目的がない」という論理的な無意味さを強調。 |
| It is useless to do | 形式主語 + 形容詞「useless」+ 不定詞 | 書き言葉・改まった場面(80%) | 「役に立たない」ことを客観的に述べる。日常会話では動名詞形も散見。 |
| It is no good ~ing | 名詞「good(利益)」+ 動名詞 | カジュアルな口語(60%) | 「やっても良い結果にならない」という口語的なくだけた表現。 |
| There is no use (in) ~ing | There構文 + 名詞「use」+ 動名詞 | 日常会話(65%) | It is no useとほぼ同義。There is no pointの変形として使われる。 |
| It is of no use to do | of + 抽象名詞(形容詞化)+ 不定詞 | 硬い文語・古典的文学(30%) | 極めて形式的な表現。試験の書き換え問題以外で耳にする機会は稀。 |
書き換えの実例として、以下の同一内容を比較すると理解が深まります。
・It is no use waiting for him.(彼を待っても無駄だ)
= There is no point in waiting for him.(彼を待つことに何の意味もない)
= It is useless to wait for him.(彼を待つ行為は役に立たない)
= It is no good waiting for him.(彼を待っても良いことはない)
= It is of no use to wait for him.(彼を待つことは無益である)

【実態検証】利用者の生の声と現場目線で見えたリアル
知恵袋やオンライン英語コミュニティ、受験指導の現場では、この構文に関して毎年数多くの相談が寄せられています。特に目立つのが「There is no use ~ing と It is no use ~ing の違いが分からない」「英作文で to do と書いて減点された」という切実な声です。
現場の指導データやネイティブ講師への聞き取り調査によると、北米やイギリスの日常会話では「It's no use ~ing」と「There's no point in ~ing」の2つが圧倒的な頻度で使われています。特に「There is no point (in) ~ing」は、ビジネスミーティングで「無意味な議論を避ける」際にも重宝される汎用性の高い表現です。
一方で、学校文法や資格試験の現場では「It is no use」の後ろに「to不定詞」を配置すると一発で誤答扱いとなります。ネイティブの口語では稀に「It's no use to try」といった破格の混同表現が聞かれることもありますが、標準英語の規範としては完全に「-ing(動名詞)」が正答とされます。試験やフォーマルなライティングでは厳格にルールを守ることが求められます。
【一覧表でマスター】高校英語で頻出する動名詞の重要慣用表現
高校英語の文法単元「動名詞の慣用表現」では、「it is no use ~ing」と並んで出題される必須構文が多数存在します。これらは大学入試共通テストやTOEICなどの資格試験において、空所補充や語順整序問題の定番です。混同しやすい重要フレーズを一覧で整理します。
【頻出!動名詞の重要慣用表現一覧】
・cannot help ~ing:〜せずにはいられない(= cannot but 原形不定詞)
・It goes without saying that ...:…なのは言うまでもない(= It is needless to say that ...)
・There is no ~ing:〜することはできない(= It is impossible to do)
・feel like ~ing:〜したい気がする(= feel inclined to do)
・look forward to ~ing:〜するのを楽しみに待つ(※toは前置詞なので動名詞が続く)
・be used to ~ing:〜することに慣れている(= be accustomed to ~ing)
・make a point of ~ing:〜することにしている(= make it a rule to do)
・On ~ing:〜するとすぐに(= As soon as ...)
・In ~ing:〜するときに / 〜する過程で(= When / While ...)
・prevent [keep / stop] O from ~ing:Oが〜するのを防ぐ・妨げる
これらの構文に共通するのは、「前置詞の直後には動名詞が来る」という原則や、特定の定型表現として確立されている点です。「it is no use ~ing」を学ぶ際は、これらの一連のグループとして構造を整理しておくことで記憶の定着が大幅に向上します。

一般に知られていない盲点とネットの誤解|使ってはいけないNG場面
「it is no use ~ing」は文法的に正しくても、対人コミュニケーションにおいて使用場面を誤ると重大な人間関係の摩擦を引き起こすリスクを孕んでいます。
この構文が本質的に持つ語義は「Hopeless(絶望的)」「Pointless(無意味)」です。そのため、第三者の客観的な状況や自分自身の諦めを述べる際には問題ありませんが、「相手が努力している最中の行動」に対して直接向けると、「お前のやっていることは何の価値もない」「無駄骨だからやめろ」という強い拒絶や侮辱のトーンになってしまいます。
【プロの結論】コミュニケーションにおける適切な使い分けと判断基準
対話における心理的安全性を保ちながら助言を行う場合、状況に応じた表現の使い分けが必要です。
・自分自身の反省・客観的事実の描写:
「It's no use complaining about the referee's call.(審判の判定に文句を言っても仕方がない)」のように、起きてしまった過去の事実を受け入れる場面では最適な表現です。
・他者へ柔らかく方向転換を促す場合:
相手に向かって「It's no use doing that!」と切り捨てるのではなく、「Maybe we should try another approach.(別のアプローチを試した方がいいかもしれない)」や「I don't think it will work, but...(うまくいくとは思えないけれど…)」といった婉曲表現を用いるのが、成熟した大人の英語コミュニケーションにおける鉄則です。
【it is no use ing】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:テストや英作文で「It is no use to do」と書いたら減点されますか?
A1:はい、明確に減点または誤答対象となります。「It is no use」に直接続くのは動名詞(-ing)のみです。不定詞を用いたい場合は、形式主語構文の「It is useless to do」または文語の「It is of no use to do」と書く必要があります。
Q2:「There is no point in ~ing」との一番の違いは何ですか?
A2:ニュアンスの焦点が異なります。「It is no use ~ing」は「結果が変わらない(無駄・手遅れ)」という感情や諦めに焦点があるのに対し、「There is no point in ~ing」は「それを行う論理的な意味やメリットが存在しない」という合理的な判断に焦点があります。ビジネスシーンでは「There is no point in ~ing」が好まれます。
Q3:ことわざの「It is no use crying over spilt milk」の「spilt」とは何ですか?
A3:動詞「spill(こぼす)」の過去分詞形です(米語ではspilledも使用されます)。「こぼされてしまったミルク」という過去の完了状態を表し、「すでにこぼれてしまったミルクについて泣いて嘆いても何の役にも立たない」という意味になります。
まとめ:文法理解とニュアンスの把握で英語表現の幅を広げよう
「it is no use ~ing」は、単なる受験用の暗記構文ではなく、日常会話やメディア報道でも頻繁に登場する実用的な英語表現です。「前置詞inの省略」という語源的な背景や動名詞の認知イメージを理解すれば、なぜ-ing形をとるのかを論理的に納得できます。
さらに「There is no point in ~ing」や「It is useless to do」といった類語とのニュアンスの差を把握しておくことで、ライティングや英会話における表現の解像度は格段に高まります。文法的な正確さと語用論的な配慮を兼ね備えた、生きた英語力の習得に役立ててください。 (出典: it is no use ing(Yahoo!ニュース))