トンボ絵画コンクールで入賞する絵の共通点は?審査基準と描き方のコツ
全国の小中高校生から毎年10万点を超える力作が寄せられる「WE LOVE トンボ絵画コンクール」。株式会社トンボ鉛筆や株式会社トンボ(学生服)が協賛し、朝日新聞社・朝日学生新聞社が主催する本コンクールは、夏休みの宿題の定番絵画コンクールとして不動の地位を築いています。
しかし、全国規模のハイレベルな争いの中で審査員の心をつかみ、上位入賞を果たす作品にはどのような共通点があるのでしょうか。「図鑑を見て細かく描いたのに選ばれなかった」「子どもにどうアドバイスすればいいかわからない」と頭を抱える保護者や指導者も少なくありません。本記事では、過去の受賞作品の傾向や公式の審査方針を徹底分析し、入選を勝ち取るための実践的なポイントを分かりやすく解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:入賞の決定打は「図鑑の精密な模写」ではなく、トンボに出会った時の驚きや臨場感を大胆に表現した独自の構図にある。
- 要点2:文部科学大臣賞をはじめとする上位受賞作は、トンボの羽の透明感や光の捉え方、子どもらしい素直な感情が画面全体から伝わる作品が選ばれる。
- 要点3:応募締め切りは例年9月中旬。応募者全員にオリジナル参加賞が贈られるため、夏休みの挑戦そのものが確かな成長の糧になる。
【大会概要】国内最大級「WE LOVE トンボ絵画コンクール」が愛され続ける理由
日本列島に広く生息し、古くは「秋津(あきつ)」と呼ばれて親しまれてきたトンボ。自然環境のバロメーターでもあるトンボを通じて、環境保護への関心を育む目的で始まったのが「WE LOVE トンボ絵画コンクール」です。
1986年のスタート以来、回を重ねるごとに応募規模を拡大し、現在では年間10万点以上が集まる国内屈指の児童絵画展へと成長しました。文部科学省や環境省の後援を受け、小学生部門(各学年別審査)から中学生・高校生部門まで細やかに審査枠が分かれているため、どの学年であっても正当に評価される点が大きな魅力です。
【審査員の視点】入賞する作品の共通点と高く評価される決定的な審査基準
審査員が選考の場で最初に着目するのは、技術の巧みさだけではありません。審査基準の根底にあるのは、「子ども自身のリアルな発見と感動が息づいているか」という一点です。
選考から外れやすい作品の典型例として、「図鑑の写真をそのまま写したような平面的構図」や「大人の手が過度に入った整いすぎた絵」が挙げられます。一方で、審査員から高い評価を受ける作品には以下の明確な共通点が存在します。
第一に、トンボと描き手の距離感が伝わるダイナミックなアングルです。トンボを真上から平面的に捉えるのではなく、下から見上げた青空、網を振った瞬間の手のブレ、草むらに止まるトンボの複眼の輝きなど、現場の空気が伝わる作品は強いインパクトを与えます。
第二に、「発見のストーリー」が背景とともに描かれている点です。公園の水辺、夕暮れの帰り道、家族で出かけた里山など、トンボが生きている環境や描いた瞬間の空気感まで丁寧に表現されている作品は、見る者の感情を揺さぶります。
【歴代傾向】文部科学大臣賞や受賞作品一覧から見えた「選ばれる絵」の特徴
歴代のトンボ絵画コンクール受賞作品一覧を振り返ると、最高峰である文部科学大臣賞や環境大臣賞を受賞する作品には、学年ごとの発達段階に応じた際立った個性が見られます。
小学校低学年の受賞作では、トンボと目が合った瞬間の驚きや、捕まえた時の手の温もりが画面いっぱいに広がる、大胆で伸びやかな筆づかいが圧倒的な支持を集めています。形が多少歪んでいても、クレヨンや絵の具を力強く塗り重ねた生命力が高く評価される傾向にあります。
一方、小学校高学年から中高生部門になると、トンボの羽の繊細な翅脈(しみゃく)や光の反射、背景の自然光のグラデーションなど、観察眼に裏打ちされた描写力と色彩構成が合否を分けます。トンボを単なる昆虫としてではなく、自然の循環の一部として描いた深みのある作品が上位を独占しています。
【実践テクニック】審査員の目を惹く「トンボの絵 描き方のコツ」5つのステップ
入選を狙うための実践的な作画アプローチを5つのステップにまとめました。夏休みの制作時にぜひ取り入れてみてください。
ステップ1:実際にトンボを観察し、驚いた部分を見つける
写真を見るだけでなく、実際に飛んでいるトンボや止まっている姿を観察します。「目がキラキラしていた」「羽が透き通って虹色に見えた」など、本人が感じた強い印象をテーマに設定します。
ステップ2:画面からはみ出すほど大胆に主役を配置する
画用紙の真ん中に小さく描くのではなく、トンボの顔や羽を大きくクローズアップさせたり、斜めの対角線上に配置してスピード感を演出します。
ステップ3:羽の透明感と体のメタリック感を画材の重ね塗りで表現する
羽の透明感を出すには、背景を描いた上から薄く溶いた白色や水色を重ねるか、クレヨンで羽の筋(翅脈)を先に描いてから上から水彩絵の具をはじかせる「バチック(はじき絵)技法」が効果的です。
ステップ4:背景に時間帯や季節の光を取り入れる
青空一色で塗りつぶすのではなく、夕焼けのオレンジ、木漏れ日の黄色、水面の反射光などを混ぜ込むことで、画面全体に豊かな奥行きが生まれます。
ステップ5:保護者は「どう見えた?」と子どもの言葉を引き出す
大人が構図を指示するのではなく、「トンボのどこが一番かっこよかった?」「捕まえたときどんな気持ちだった?」と問いかけ、子ども自身の表現欲求を前面に引き出すサポートに徹することが大切です。
【応募要項とスケジュール】締め切り日程と全員もらえる参加賞の魅力
応募にあたっては、トンボ絵画コンクールの最新応募要項を事前に確認し、規定違反による失格を防ぐ必要があります。
用紙サイズは四つ切(約39cm×54cm)または八つ切(約27cm×39cm)の画用紙を使用します。画材は水彩絵の具、クレヨン、色鉛筆、パステル、貼り絵など自由ですが、平面作品であることが条件です。
応募の締め切り日程は例年9月中旬(消印有効)に設定されています。学校応募の場合は学校側の提出締め切りが夏休み明け直後に設定されるケースが多いため、8月下旬までには作品を完成させておくスケジュール感が必須です。
また、本コンクールが長年支持されている大きな理由の一つが、応募者全員に贈られるオリジナルの参加賞です。株式会社トンボ鉛筆や学生服のトンボならではの文具や特製学習帳などが毎年用意されており、挑戦したすべての子どもたちにとって嬉しい記念品となります。
【結果発表の確認法】入選の通知時期と公式WEB・新聞での発表スケジュール
審査は全国の美術教育関係者や専門家によって秋に厳正に行われ、トンボ絵画コンクールの結果発表は例年11月中旬頃に実施されます。
上位入賞者には事前に所属学校または個人宛てに通知が届くほか、朝日新聞朝刊および朝日小学生新聞の紙面上で受賞者氏名と代表作品が掲載されます。さらに、株式会社トンボの特設公式ウェブサイト上でも全受賞作品がカラーで一挙公開され、全国どこからでも閲覧可能です。
【トンボ絵画コンクール】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:学校で募集していなくても個人で直接応募できますか?
A1:個人応募も受け付けています。公式ウェブサイトから個人応募用の応募票をダウンロードし、必要事項を記入して作品裏面に貼付のうえ、コンクール事務局へ郵送することで応募が可能です。
Q2:トンボ以外の生き物や人間を一緒に描いても評価されますか?
A2:高く評価されます。トンボを捕まえようとする自分自身の姿や、トンボが飛ぶ田園風景、水辺の魚や植物などを一緒に描くことで、絵の中に豊かなストーリー性が生まれます。
Q3:デジタルツールで描いた作品は応募できますか?
A3:応募要項上、原則として手描きの平面作品(紙に描かれたもの)が対象です。デジタル作画やプリントアウト出力された作品は規定外となる場合があるため、指定画用紙に手描きで制作してください。
まとめ:豊かな自然体験と子どもらしい感性をキャンバスにぶつけよう
トンボ絵画コンクールで入賞を果たす作品の根底にあるのは、卓越した画力以上に「トンボと出会った瞬間の純粋な感動」です。図鑑を綺麗になぞるのではなく、実際に外へ出て風を感じ、羽ばたくトンボを追いかけた体験こそが、審査員の心を動かす最大の原動力になります。
夏休みの貴重な時間を使って、子どもが何を感じ、どう表現したいのかに対話を通じてじっくり寄り添い、世界に一つだけの力作を完成させてみてください。 (出典: トンボ 絵画 コンクール(Yahoo!ニュース))